GIGAスクール標準仕様を徹底比較!

GIGAスクール

 

GIGAスクール構想の実現について:文部科学省

 

もくじ

 

GIGAスクール構想とは?

昨年末に文部科学省より、1人1台のパソコン環境でICTを活用する計画「GIGAスクール構想」がアナウンスされました。

生徒児童一人に一台パソコンを整備することを前提に、それに耐えうるネットワークインフラ環境を整備することも含まれています。国からの補正予算案は2318億という巨額な予算が組まれており、いままでの施策とは本気度が格段に違います。

施策については「児童生徒1人1台端末の整備事業」と「校内通信ネットワーク整備事業」の2つの事業に分けられます。

①児童生徒1人1台端末の整備事業

  • 概要:小・中・特支等の児童生徒が使用するPC端末を整備
  • 補助割合:定額(1台4.5万円)
  • 期限:令和4年度中まで

②校内通信ネットワーク整備事業

  • 概要:小・中・特支・高等学校等における校内LANを整備
  • 補助割合:予算の1/2
  • 期限:令和2年度中まで

https://www.mext.go.jp/content/20200130-mxt_syoto01-000003278_16.pdf
https://www.mext.go.jp/content/20191227-mxt_syoto01_000003278_06.pdf

特に「校内通信ネットワーク整備事業」については期限が令和2年度中まで、つまり今現在リアルタイムで準備が急ピッチで進められている事業となります。

 

GIGAスクール構想の標準仕様とは?

GIGAスクール

文部科学省よりGIGAスクール構想を実現するための「標準仕様書」が公開されました。

この仕様書に記載されている「学習者用コンピュータの標準仕様書」及び「校内 LAN 整備の標準仕様書」は各自治体が仕様書を作成する際に参考となる例を提示したもので、あくまで参考モデルということです。

校内 LAN 整備の標準仕様書に記載されている各ネットワーク製品としては、「センタールータ」「拠点ルータ」「基幹スイッチ」「フロアスイッチ」「エッジスイッチ」「無線LANコントローラ」「無線LAN認証装置」「無線アクセスポイント」について仕様が書かれています。

いずれもポピュラーな仕様がほとんどですが、本当に使われるかどうか疑問に思う様なレガシーな仕様についての記載も見受けられます。必ずしも無理に標準仕様に全部合わせる必要はないものと考えられます。

 

「校内 LAN 整備の標準仕様書」のポイント

GIGAスクール

GIGAスクール構想の第一弾となる「校内LANの整備」については令和2年度中に完了させる必要があります。

予想されるリスクとしては、メーカー側でネットワーク製品機器の在庫が枯渇することSIer側でエンジニアのリソースが枯渇すること、が考えられます。既にメーカー側でも生産体制を強化する動きも出てきていますが、予め部材確保の確約をとっておいたほうが良いでしょう。

ネットワークの構築に関わるエンジニアリソースの枯渇も難しい問題です。特に夏休みや冬休みには作業が集中することが予測されます。分割して週末に行うなど様々な工夫を考えている自治体もあるそうです。

また、GIGAスクール構想の施策では運用保守などのランニングコストは補助の対象外になる点も注意が必要です。製品によっては保守サービスが機器にバンドルされているものもありますので、この辺も製品の選定ポイントとなります。

【追記 3/19】
3/19の公式ページアップデートより、「複数年の有償保証サービス等、後年負担を含むことはできません。」と案内がありました。このため、保守などが機器型番にバンドルされているものは補助の対象外になる可能性が高いです。

https://www.mext.go.jp/content/20200323-mxt_jogai02-000003278_502.pdf

 

  • 標準仕様書に記載の要件はあくまで参考モデルであること
  • メーカー側で機器の枯渇が予想される
  • 保守運用費にかかるランニングコストは補助対象外
  • エンジニアのリソース枯渇にも注意

「校内ネットワーク整備事業」の交付要綱については2月上旬中下旬頃に開示予定。

 

通信要件の目安

標準仕様書には各学習活動に必要となる帯域についても少しだけ触れられています。あくまでも目安の様ですが、「NHK For School」や「遠隔授業の実施(テレビ会議)」、「YouTube(HD720p 画質)」などが想定されています。

学習活動1 台当たりの使用帯域目安
遠隔授業の実施(テレビ会議)2.0Mbps
NHK For School0.7Mbps
YouTube(HD720p 画質) 2.5Mbps2.5Mbps

例えば、1教室あたりのクライアントデバイスが40台あったとすると、全員がYouTube(HD720p 画質)にアクセスした場合、40*2.5Mbps=100Mbpsの帯域が必要となります。

これは、3ストリームを実装した11ac対応の無線アクセスポイント1台で、且つ、20MHz(ボンディング無し)の設定でぎりぎりカバーできるくらいのトラフィックです。

 

ネットワークベンダーの対応状況

アライドテレシス

GIGAスクールの重要なポイントとしては「保守サポート」の部分が挙げられます。保守・運用などのランニングコストについては補助の対象外となります。

そのため、機器に保守サポートをバンドルした型番モデルがある方が有利となります。アライドテレシスでは既に文教ユーザー向けに保守が7年付いたアカデミック製品が用意されています。

製品についてもルーター・スイッチ・無線アクセスポイントまで取り揃えているところもポイントが高いです。

また、今回のGIGAスクール構想に合わせてお申込みフォームも開設されています。


https://www.allied-telesis.co.jp/solution/school/index.html

 

YAMAHA

YAMAHAはネットワークベンダーとしても性能の良さが大変評価されています。純国産で堅牢製が高いところがポイントです。

文部省から発表された標準仕様を基に、「センタールーター」、「拠点ルーター」、「基幹スイッチ」、「フロアスイッチ」、「無線アクセスポイント」の構成モデルをYoutubeで公開しています。

ヤマハネットワーク機器で考える「GIGAスクール構想」

個人的にルーター部分についてはYAMAHAのルーターを推奨してます。

GIGAスクールの想定価格帯を考慮しますと最適なラインアップと考えます。

 

Cisco・Meraki

ネットワーク機器の世界シェアNo.1でおなじみシスコです。もちろん今回のGIGAスクールでも本命となりそうです。

標準仕様をベースに考えるのであればシスコを選んでおけば間違いないでしょう。ただし、予算が合わない、オーバースペックとなりうる懸念もあります。

シスコも既にお問い合わせフォームが開設されておりました。

https://www.cisco.com/c/ja_jp/solutions/industries/education/gigaschool.html

また、ゼロタッチで最短で導入できるCisco Meraki では、エンジニアが枯渇する状況においても優位性があります。

クラウドから管理ができるため、現地の作業員にかかる工数を圧縮することが可能となります。

 

ネットワーク機器の予算目安

GIGAスクール

2/10に公式サイトで更新された内容によりますと、現時点で想定より大幅に超えた額の予算が申請されているそうです。

1校当たり900万を想定していたところ、現時点では約1600万程度となっているのだとか。

この状況に、文部科学省側では適正な価格で補助を申請してもらう必要があると判断しており、現在計画している内容にハイグレードなものが採用されていないか、高額な整備費になっていないか、などを再度確認するようアナウンスしています。

また、6学級程度の小規模校で700万円、12学級程度の中規模校で900万円、24学級程度の大規模校で 1500万を超える額の場合、高額となっている要因についてヒアリングが行われるそうです。

 

以下は、文部科学省でまとめた整備計画予算の事例となります。

GIGAスクール構想 文部科学省 公式サイトより抜粋

 

【追記 3/19】
3/19に公式サイトで更新された資料では、「適正な積算が行われた事例」についても報告されています。下記の予算感を目安に機種選定を行うとよいでしょう。

上記は事例となりますが、無線アクセスポイントは妥当な金額かなと思います。

フロアスイッチとセンタースイッチは10G対応のモデル構成を想定しているのか?少し気になるところです。(金額的に。)

【追記 3/19】
当初の予想とは打って変わりまして、非常にシブい予算構成になってきています。LANケーブルは原則10Gbps対応ですが、ネットワーク機器は1Gbps対応が想定されています。

予算取りなので多少多めに申請するかと思いますが、ネットワーク設計費用(設置工事費)などは圧縮が求められる対象になるものと予想されます。

設計費用に関しては複数校でテンプレ化してしまえば、ある程度ディスカウント可能となるでしょう。

 

各ベンダー機器のGIGAスクール標準仕様項目の比較

GIGAスクール

以下の表では「校内 LAN 整備の標準仕様書」に基づいて各ベンダー機器を比較しています。(詳細については各製造元ベンダーにお問い合わせください)


センタールータ&拠点ルータ | GIGAスクール標準仕様項目の比較

センタールータと拠点ルータの標準仕様に対する各メーカーの対応について比較しています。
標準仕様Buffalo
VR-S1000シリーズ
Allied Telesis
AT-ARシリーズ
YAMAHA
RTXシリーズ
CISCO
ISRシリーズ
Meraki
MXシリーズ
WAN インターフェースとして IEEE802.3、IEEE802.3u、IEEE802.3ab に準拠した10/100/1000 イーサネットポートを実装していること。
LAN インターフェースとして IEEE802.3、IEEE802.3u、IEEE802.3ab に準拠した10/100/1000 イーサネットポートを実装していること。
ルーティングプロトコルとして、Static、RIPv1/v2、RIPng、OSPF、OSPFv3 に対応していること。
ポリシーベースルーティング機能を有すること。
VLAN に対応していること。
SNMPv1/v2c/v3 による管理機能を有すること。
WAN プロトコルとして PPPoE をサポートすること。
経路エントリー数が●以上であること。
syslog ロギングに対応できること。
IPsec 等のトンネル機能を有していること。

教育センターやデータセンターに集約してインターネットに接続する場合はIPsec時のスループットをチェックしておくとよいでしょう。

教育センターやデータセンターに集約させずに直接インターネットに接続する場合は、UTM機能付きのファイアウォール(アンチウィルスやIPS/IDS、コンテンツフィルタリングなどセキュリティ機能を実装したファイアウォール)を選ぶ必要があります。

また、ボトルネックになりやすいインターネット回線部分についても通信要件を基に回線を選ぶ必要があります。ただし、回線部分については今回の補助対象外となるので注意が必要です。

 

  • IPsec時のスループットもチェックすること
  • 直接インターネットに接続する場合はUTMファイアウォールを検討する
  • 回線部分のランニングコストは補助対象外

 


基幹スイッチ | GIGAスクール標準仕様項目の比較

基幹スイッチの標準仕様に対する各メーカーの対応について比較しています。
標準仕様Buffalo
該当なし
Allied Telesis
xシリーズ
YAMAHA
SWXシリーズ
CISCO
Cat9300シリーズ
Meraki
MSシリーズ
IEEE802.3an に準拠した 10GBASE-T ポート、または IEEE802.3ae に準拠した
10GBASE-ER/LR/SR ポートを●ポート以上実装していること。(※)
IEEE802.3、IEEE802.3u、IEEE802.3ab に準拠した 10/100/1000 イーサネットポ
ートを 1 ポート以上実装していること。
ノンブロッキングであること。
IEEE802.1Q に準拠したタグ VLAN 機能を有すること。
ルーティングプロトコルとして、Static、RIPv1/v2、RIPng、OSPF、OSPFv3 に対
応していること。
ポリシーベースルーティング機能を有すること。
VLAN に対応していること。
2 台以上のスタック接続に対応していること。
SNMPv1/v2c/v3 による管理機能を有すること。
※10GBASE-T、10GBASE-ER/LR/SR ポートに、10Gbps 対応ケーブルを接続することで、その区間は 10Gbps まで速度での通信が可能となる。但し、当面 1Gbpsの速度で問題ないと想定される場合、当該ポートを含まない機器仕様とする(※を削除)ことで、安価な機器を選定することができる。

基幹スイッチは各フロアに設置されるスイッチを集約します。ボトルネックとならないように、このタイミングで幹線(フロアスイッチ~基幹スイッチ間)は10Gbpsで引いておくことを強く推奨します。

必要な10Gbpsポートの数を実装したスイッチを選定します。フロアスイッチの収容数が多い場合にはシャーシ型のモデルを検討します。

物理スタックは8台まで組めるタイプのものがほとんどです。必要に応じてスタックの台数を見積もります。スタック間でボトルネックが発生する可能性もあるのでスタックケーブルの帯域も注意しましょう。

【3/19 追記】
本日までの予算感を考慮しますと基幹スイッチについては1Gbpsのアップリンクを持つスイッチになると予想されます。Catalystスイッチのようにアップリンクモジュールを取り換えることで1G→10Gに切り替えられるモデルが良いですね。

また、基幹スイッチの冗長構成などについては今回のGIGAスクール構想では補助要件の対象外になる可能性が高いと考えます。

  • 幹線(フロアスイッチ~基幹スイッチ間)は10Gbpsで引いておくことを推奨
  • 大規模な環境の場合、シャーシ型モデルも検討する
  • 物理スタックはスタック間のボトルネックにも注意する

 


フロアスイッチ | GIGAスクール標準仕様項目の比較

フロアスイッチの標準仕様に対する各メーカーの対応について比較しています。
標準仕様Buffalo
BS-GS20Pシリーズ
Allied Telesis
Xシリーズ
YAMAHA
SWXシリーズ
CISCO
Cat9200シリーズ
Meraki
MSシリーズ
ノンブロッキングであること。
IEEE802.3an に準拠した 10GBASE-T ポート、または IEEE802.3ae に準拠した
10GBASE-ER/LR/SR ポートを 1 ポート以上実装していること。(※)
IEEE802.3、IEEE802.3u、IEEE802.3ab に準拠した 10/100/1000 イーサネットポ
ートを●ポート以上実装していること。
IEEE802.1Q に準拠したタグ VLAN 機能を有すること。
VLAN に対応していること。
SNMPv1/v2c/v3 による管理機能を有すること。
IEEE802.3af、IEEE802.3at に準拠した PoE、PoE+機能を有すること。
使用可能な PoE 電力は●W 以上であること。
※10GBASE-T、10GBASE-ER/LR/SR ポートに、10Gbps 対応ケーブルを接続することで、その区間は 10Gbps まで速度での通信が可能となる。但し、当面 1Gbpsの速度で問題ないと想定される場合、当該ポートを含まない機器仕様とする(※を削除)ことで、安価な機器を選定することができる。

各フロアに設置される無線アクセスポイントをフロアスイッチで集約します。また、PoE/PoE+ポートによる給電の役割もあります。想定される無線アクセスポイントの台数分、給電できるものを選びましょう。

標準仕様についてはかなりユルユルな内容なので、どのベンダーの機器でも対応は可能かと思いますが、アップリンク(フロアスイッチ~基幹スイッチ)に関してはこのタイミングで10Gにしておくべきであると考えます。

【3/19 追記】
当初の予想とは打って変わりまして、非常にシブい予算構成になってきています。LANケーブルは原則10Gbps対応ですが、ネットワーク機器は1Gbps対応が想定されています。

また、標準仕様には記載がありませんが今後の拡張性も考え、L2スイッチで物理スタックが組めるものが良いでしょう。

 

  • 想定される無線アクセスポイントの台数分、給電できるものを選ぶ
  • アップリンクはこのタイミングで10Gにしておく
  • 今後の拡張性も考え物理スタック可能なものが良い

 


無線アクセスポイント | GIGAスクール標準仕様項目の比較

無線アクセスポイントの標準仕様に対する各メーカーの対応について比較しています。
標準仕様Buffalo
WAPMシリーズ
Allied Telesis
AT-MWSシリーズ
YAMAHA
WLXシリーズ
CISCO
Catalyst9100シリーズ
Meraki
MRシリーズ
IEEE802.11a/b/g/n/ac 以上に準拠すること。
IEEE802.11i に準拠及び認証方式として WPA2、暗号化方式として AES に対応していること。
2.4GHz 帯と 5GHz 帯を同時利用可能なこと。
アップリンクとして、自動検知式の 10/100/1000BASE-T(RJ-45)イーサネットを有していること。
2.4GHz 帯 2×2MIMO、2 ストリーム、5GHz 帯4×4MIMO、4 ストリームに対応していること。
周辺のアクセスポイントを検出できる機能を有すること。
電源を切断してもログ情報を保持する機能を有すること。
SNTP サーバ、クライアント機能を有すること。
MAC アドレスフィルタリング機能を有すること。
天井、壁、卓上設置できること。
IEEE802.1x に準拠すること。
無線 LAN コントローラもしくは無線アクセスポイントで管理が可能なこと。
外部の電源装置パワーインジェクターなどの柔軟な電源環境に対応できる製品であること。
SNMPv1/v2c/v3 による管理機能を有すること。
無線 LAN を設置する箇所において事前に電波調査等を行うこと。

無線アクセスポイントについては、このタイミングですのでWi-Fi6対応(802.11ax)のモデルを選びたいですね。Wi-Fi6対応モデルの中でも第一世代と第二世代があります。第一世代はドラフト版であるため、必ず第二世代のモデルを選びましょう。

アクセスポイントの設置台数については、後々になってキャパシティが足りないという事態を避けるためにも1教室に1台のアクセスポイントを設置するように設計しておきましょう。

校内LAN整備の施設整備と一体として無線APの整備を行う場合、無線APも含めて補助対象となります。つまり無線APだけの場合は補助対象外となるので注意が必要です。

また、センター集約型のネットワーク構成の場合、校内の施設整備のみを補助対象とされます。センター側に無線LANコントローラや無線LAN認証装置などが設置した場合は、それらの機器は補助対象外となるのでこちらも注意が必要です。

 

  • Wi-Fi6対応モデル(第二世代)を選ぶ
  • アクセスポイントは1教室に1台で設計する
  • 無線アクセスポイントだけだと補助の対象にならない
  • 無線LANコントローラや無線LAN認証装置がある場合、校内に設置されないと補助の対象にならない

 

無線アクセスポイントは管理の容易さからクラウド管理型のMeraki MRシリーズがおススメです。

 

と思っておりましたが、思っていたより相当予算がシブい感じになってきましたのでもうワンランク下げたメーカー製品を選定する必要があるようです。

 

YAMAHAやFXC、無線であればFuruno System やサイレックスなども検討材料に入れるとよいでしょう。

 

 

 

お問い合わせは gigasuku@gmail.com まで


 

 

タイトルとURLをコピーしました